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第一回 メタルカラーあれこれ
というわけで、第一回目のお題は金属色塗料です。 金属表現というのは長年、模型の世界で大きな命題とされてきました。 ラッカー系、エナメル系等の通常塗料の金属色では表現できない金属感を 出すため、磨き出しのメタルカラーが発売されたのも、もう20年以上前 のことです。 ここ数年、この金属表現のための新しい塗料が数多く発売されました。 技術の進歩、開発があったのでしょう。模型誌でも、「え?ここまで できるの?」って写真をたくさん見ました。 では、そのなかで自分が使うべきものはどれなのか? 各種塗料が持つ特性の中で、自分が必要としているものはなんなのか? このへんを見極めるために今回の実験を行ってみました。 なお、自分の必要性、興味の中で所持しているものだけでやっていますので、 これ以外にも注目すべき製品が多数存在します。 機会があれば購入し、是非とも試してみたいですが、結局は市場のほとんどを フォロー出来ないのをお許し下さい。 だって高いジャン、金属塗料って(笑) |
![]() 多分今一番の目玉でしょう。GSIクレオスのMr.カラー・スーパーメタリックシリーズ。 |
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いきなりめげちゃいそうな写真写りの悪さですが(笑)、メタリックは仕方ないかも。 |
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なんかもうビカビカになっちゃってますが(笑)、今回の本命、メッキシルバーです。 これはもうさすがの輝き。現状では決定版と言ってもいいでしょう。 某プロモデラー氏のサイトで、筆塗りでもOKという話しだったので試してみました。 乾くごとに筆目が目立たなくなっていく感じでした。 下地を黒にしておくとかなり目立たなくなるんじゃないかと。 |
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専用シンナーで溶いたところ。 金属塗料って、かき混ぜているとキレイな金属光沢の膜が浮かんできたりしますが、 コイツの場合はそれがもう全面に浮かんできます。 まるで溶けたハンダみたい。 |
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で、この付属の専用シンナーってのが、ニオイを嗅いでみると(よい子はマネしない) 水性アクリル系カラーのアルコール溶剤の匂いによく似ています。 モノは試し。なんせ今回は実験ですので、タミヤのアクリル溶剤で溶いてみました。 結果はご覧の通り。溶けないわけじゃないんですが、上の写真の金属光沢は全く失しなわ れてしまいます。 このへんに何か秘密があるんでしょうね。 ちゃんと専用シンナー使いましょう。 なお、用具の手入れに関してはMr.うすめ液で問題ありません。 |
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さて、代わってこちらはMr.メタルカラー。 同じくGSIクレオスの製品です。ちょっと古いボトルがあるのはご勘弁を。 左からクロームシルバー、アイアン、ゴールド。(これももっと種類あります) こちらは塗って乾いたら柔らかい布などで磨き出すタイプ。 前述のように、磨きが少々難しいという点、磨き出した塗膜が弱く、実質 さわることができない、という点がデメリットですが、その分粒子は細かく、 見た目の輝きは魅力的な物を持っています。 あとお値段が安い(笑)。定価180円ナリ。 |
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塗装・乾燥後、磨き出します。それぞれ右半分磨いてみました。 ツヤ消しの表面が金属板のような光沢に代わっていく様はたいへんおもしろいです。 特にアイアンは劇的。 |
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全部磨きあげました。ちょっと磨きムラが出てしまいましたが、メッキシルバーには 及ばないものの、まずまずの輝き。 このアイアンは愛用者が多いと聞きます。 |
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シルバーで比較して見ましょう。 うぅ、分かりにくい写真・・・ メタルカラーのクロームシルバーもなかなかですが、 メッキシルバーは映り込みによって黒っぽく写っています。 やはりこいつが一番のようです。 スーパーファインシルバーはやっぱり粒子の粗さがちょっとね・・・ |
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アイアン2種比較。 メタルカラーの方が粒子は細かいですが、スーパーアイアンに関しては 充分に実用性はあります。 塗膜を安定させられるメリットは大きいので、ボクとしてはスーパー アイアンに軍配が上がります。 |
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続いてゴールド比較。 昔から思っていたんですが、メタルカラーはなんというか、違う色です。 これ銅ですよ。新品の十円玉の色です(笑) じゃ、カッパーはどんな色してるんだろ? スーパーゴールドはどうでしょう? 金粉っぽいってことはOKなのかな? |
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さて、ここまで褒めちぎってきたメッキシルバーにもザンネンな欠点があります。 クリアーコートが出来ません。磨き出し系と同じく、クリアーをかけたとたんに 輝きがなくなってしまうんです。 てっきり出来ると思っていたので非常に残念なんですが、やはり超えられない問題 なんでしょうね、きっと。 ただ、吹きっ放し、磨き無しでOKってのはやはり大きなメリット。 たとえば、カーモデルの窓枠などには、磨いた時の粉が付くため、特殊金属色が 今まで使用できなかったんですが、これなら問題ありません。 写真はMr.カラーのシルバーを塗ったものも用意し、一緒にクリアーコート。 |
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そして、こちらはやっちゃいけないこと。 磨き出したメタルカラーにクリアーを吹いてみました。 磨く前に戻っちゃった感じです。 スーパーメタリックにもそれぞれクリアーを吹いていますが、こちらは 全く変わりません。 |
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さて、今回の実験、いかがでしたでしょうか? 今回使用したもの以外にも、「アルクラッドカラー」や「こすって銀SUN」など、気になる 金属表現塗料は多数あります。 そのどれもがそれぞれ違う特性を持っていて、どこに何を使うかを判断することが成功の鍵 であるといえます。 例えば、完成後さわる機会が多くなる部分には、輝きは少々犠牲にしてクリアーコートできる 塗料をチョイスする等、適材適所を見極めることなどですね。 願わくばあなたの模型ライフにささやかな提案ができますことを。 ではまた次回に。 ・・・次回、なんにしよう? |