【アイツがウワサのテディガイ!】

バンダイ1/100・MGアッガイ


よもやコイツまでMG化とは。おそろしい時代になったもんです。「定価5万なら出せるよ」みたいなインタビュー記事をむかし読んだ覚えがありますが。
MG化されていない1stMSは残りあとわずか。もう売れるか売れないかと言ったら売れないもんばっかり。全種そろえて並べたいなんて人はもはやフツーの人ではない訳です(笑)
そんな中で発売されたMGアッガイ。そのスタイルは昨今のニーズに合わせ、より「カワイイ」方向へとスポイルされました。発売決定の報と同時に試作品が公開された訳ですが、それを見た瞬間から「やってやる!」というアイデアが頭をよぎってしまいました。
もともと旧キットを使用したフェルト貼りの作例を見たことはありましたので、今回はそれを超えるべくの生地探し。発売前から秘密の手芸屋さん巡りが始まったのです。

とりあえず普通に組み上げた状態からいきましょう。より丸く、頭は大きく、手足は短くというスタイリングがなされています。

う〜んプリティ。

今回の目玉ギミック 体育座り!通常の関節ではできませんが、太もも、肩を外側に引き出すことによってこのポーズを実現しています。この辺の設計が実に秀逸で、作りながら感心してしまいます。ホント。
せっかくMG買ったので、中身の方も撮っておきました。
脱いだらグロいんです。

安彦氏のマンガ「ジ・オリジン」に準拠したのか、新しく設定された腹部装甲のオープン。この部分は引き出し式の股関節をロックするという役割も担っています。

びっくりどっきりメカが出てくるわけではありません。

さて、今回の特選素材はもちろんこの生地。

実は手芸店に行くと手作りテディベアの専門コーナーがあったりします。
カラフルなものやクラシックテイストのものなど各種ありますが、総じてお高めのものは生地が厚い傾向にあります。
よってここはリーズナブルなものをチョイス。安いお店だったので購入価格は1000円ちょっと。色違いをもう一枚使ってますが、いずれももう一体作れるくらいは余ります。

いろいろ考えた末、生地の接着には両面テープを使っています。
表面をボンドで汚してしまうのを避けたかったのと、均一に薄く接着するためです。両面テープには通常よりも接着力が強いタイプがあり(「超」強力タイプは厚みがあるので注意!)、そちらならば十分な接着力を持っています。ほとんどすべてが曲面に貼ることになりますので、回転させながら少しずつ貼ったり、目立たないところに切れ目を入れてシワを逃がしてやったりして貼っていきます。
装甲のフチの部分や腕の伸縮部分など、生地が貼りきれないところも出てきます。できるだけ生地に近い色に調色した塗料を前もって塗装しておきます。
結果的にはほとんど現物合わせで貼っていきましたが、頭部下部だけは少々複雑で範囲も狭く貼りにくいため、大まかな型紙を作りました。
実は貼るだけで終わりではありません。毛並みが均一でないというのはテディベア独特の風合いを醸し出す特長の一つだと思いますが、今回は生地を小さく切るため、フチの部分の毛が起ったり、場所によっては長過ぎて野暮ったくなったりします。
そこでトリミングが必要になります。美容師さんはこんな感じでやってたよな?と、見よう見まねで裁縫用の小さな糸切りばさみを動かしていきます。

気分はペットトリマー。

最大の難関はこの半球状の関節カバー。切れ目は軸を通す溝付近のみにとどめたいので、生地は大きなままで両面テープを貼ったパーツをゆっくり転がして、少しずつ切りながら貼っていきます。
切り出す生地は結局こんな形でした。両肩、両脚の計4個作るのがしんどかったです。

完成!

(この画像は大きくなります)


という訳で完成しました。プラモ改造する時よりは時間はかかりませんね。ゆっくりやって1週間ほどで貼り終えました。基本ギミックは殺してませんので、おなかが開いたり腕が伸びたりもそのままです。ただし、腕の中身の方には残念ながら生地を貼ることはできませんでしたが。
削って何とかならないかな?と思っていたのですが、削れない構造になっているのです。代わりに極力生地に近い色を調色して塗装しておきました。

今回は未知の素材「布」との格闘でしたので、作業中は結構ストレスが溜まります。加えて、起毛の生地っていうのは切るとたくさん毛が飛び散るのです。もう部屋中毛だらけ。下手な猫屋敷よりすごかったんじゃないかと。

でも、出来上がった姿を見ればそんな苦労も吹っ飛ぶプリティさ。大きさはちょうど子犬くらい。あなたも一匹いかがですか?

'05.8