【胸像ってもんを作ってみる】

〜 フルスクラッチビルドフィギュア フォウ・ムラサメ 〜

Part 3


ページを新たにして塗装編です。前ページの最後からもう一度サフを吹き、表面を確認したら、一度全身を白く塗り上げます。
今回は隠蔽力で評判のガイアカラーを使っています。確かにクレオスのベースホワイトなんかよりよほど隠蔽力は強力です。
肌色はこの白地の上にクリアカラーを吹くことで表現します。
クリアオレンジをベースにレッド、イエロー、そしてブルーをほんの隠し味に加えます。
混ぜるとこんな色です。
このままだとなんというかピーキーで吹くのがすごく難しいので・・・
白を少量混ぜます。こんな色でいいのかよ?って色をしてますが・・・
プラ板を切り出したテストピースに薄く吹いてみるとこんな色。
塗りつぶしてしまうのではなく、下地の白を残しながらごく軽くのせるというやり方なので、吹いてみるまで色が分かりません。今回ももちろん一発で決まったわけではなく、混色→試し吹きを何度も繰り返しました。
いよいよフィギュアに吹き付けます。その前に目を塗りつぶしてしまわないよう、マスキングゾルを塗ってマスキングをしておきます。
くれぐれも濃くなりすぎないように細吹きで吹いていきます。影になる部分は少し濃いめに吹き、濃淡を出します。顔料系塗料では出せない微妙なニュアンスです。

実は言うほど簡単ではないので一度白からやり直しています(泣) 目のマスキングが白く塗りつぶされてるでしょ?(笑)

顔のアップ。頬にチークを入れていますが、これは吹き重ねではなく、ちょっと赤みを足した色を吹いています。

(9/10)

肌以外の部分も塗っていきますが、今回はちょっと実験的な塗装をしてみたいと思います。
その他の部分も肌色と同じく、クリアカラーの薄吹きで塗装するのです。水彩画のような淡い感じが出せればいいと思うんですが。

まずは髪の色。クリアブルーとイエローでエメラルドグリーンを作ります。
これもやはり少量の白を混ぜ、吹きやすくしています。
テストピースに軽く吹くとこんな感じ。
たくさん吹くほどに濃くなるので、まず影になる部分だけに吹きます。
そして全体へ。
マスキングはせず、境界をぼかしつつ仕上げます。
お次。紫色は服の色です。クリアブルーとクリアレッドで作ります。どちらを多くするかの配分でいくらでも色味が変わります。
これもやはり影になる部分を先に、次に全体に薄く、で吹いてます。この色が一番加減が難しかったです。
タンクトップの黒ですが、無彩色ゆえクリアカラーがありません。そこで、ここはスモークグレーと同じ理屈で顔料塗料をクリアで割って薄くします。使用したのはミッドナイトブルー。黒ではちょっとキツ過ぎるかと思ったので。

で、こんな具合。
以上で吹き付け塗装終了。次回は画竜点睛、目元とお化粧の筆塗りです。

(9/18)

さて、ついに筆によるフィニッシュワークがやってきました。
瞳描きとメイクをします。まずは眉毛から。
エアブラシで塗った髪の毛に近い色をエナメルカラーを混ぜて作ります。
今回は透明感のある色ではなく、白を多く混ぜてそのままの色で発色させます。
次は紫色の口紅。これも眉と同じくそのままで発色です。
つや消し黒でアイライン。まぶたのフチにのせるだけなので慎重に細く引いていきます。
瞳を入れます。髪や眉の色より少しだけ濃い色ですが、ほぼ同じです。
瞳の色にブルーを混ぜ・・・
瞳孔を描きます。
併せて、瞳を強調するため縁取りをしておきます。
瞳に光の反射を取り込んで生き生きとさせる写真のテクニック、アイキャッチっていうのがありますが、模型は直接白で点を描きます。不思議なんですが、これだけで本当に魔法のように生き生きしてきます。
いよいよフィニッシュ。下のまぶたにアイラインを入れ、慎重にまつげを描きます。
寄り過ぎてサカナ顔になっちゃってますが、顔全体はこんな感じ。

あとは全体につや消しクリアを吹いて・・・

 

途中から登場していましたが、用意していたベースに接着して完成!
ベースはスペインの世界的フィギュアメーカー、アンドレア社のものを使用しました。

大きな画像はギャラリーで!!

 

(9/25)


Part1 へもどる