【Last Mission : HAYABUSA】
〜ヤリトゲルコト〜
- Part 3 -





さて、ここまでで基本のパーツが一通り揃いました。ここからディスプレイをしていきます。

ハカイ ハカイ щ(゚д゚щ)

今回も作品はケースに収めたいと思いますが、コンセプト的に前回と同じサイズのケースが望ましいところです。
まずはベース上の位置を決めます。

そして破壊の秘密道具がこれ。懐かしの電熱器です。
熱は均一で温度も高過ぎず、炎も出ない。プラ板のヒートプレスに最適な熱源ですが、もはやあんまり見かけませんね。
検索してみると売っていないわけではないみたいですが、今回のこれは友人からの頂き物。
どうもありがとう!感謝!たいへん調子良く使えます!

 

軍手を嵌めた手で電熱器にパーツをかざし、ちょっとずつ曲げていきます。曲げ加減はフィーリングで。
電熱器はプラがトロトロに溶けてしまう失敗が少なくて済みます。



ということでどうなるかというと・・・

グニャリとこうなります。
大気の抵抗と摩擦熱を受け、はやぶさはおそらくそのパドル部分からもぎ取られていったでしょう。その瞬間をモデルアップします。



全てのパネルを加工したところ。
グワっと広がってて、できればこのままの方がカッコいいんですが、残念ながらこのままではケースのフタが閉まりません。

なので干渉する部分を切ってしまいます。
プラ板の厚みは0.5mm。パラボラの金網切りでも重宝した、使い古しのはさみでジョキジョキします。



この通り。しっかり収まるようになりました。




更に切り口を加工。
先に登場したヒートペンや目立てヤスリを使い、破損のダメージを作っていきます。


残る小物、12基のスラスター。
前作と同じくノズル部分を切り離し、パイプを金属線で作り直しますが、今回は柔らかいアルミ線を使っています。

そう。取り付け後グニャグニャと曲げちゃいます。


さて、仕上げに入っていきますよ。サフ吹きのあと、真っ黒けに塗っておきます。このあとの塗装の下地です。

パドルから仕上げていきます。
パネル両面は前作と同じデカールで再現。かつて販売された1/35ガレージキット用のデカールデータを、少し拡大してサイズを合わせたものです。
透明デカールを使用するので下地が透けます。パネルおもて面はシルバーに、裏面はコードのディテールのために白に塗っておきます。

そもそもダメージ仕様なのであまり気を使う必要はありません。歪んだ面にグイグイと押し付けて貼っていきます。
今回もインクジェットプリンタ対応のデカールシートを使用したのですが、このシートはプリント後、表面の保護のためクリア塗料を吹くようにとされています。
そのままではプリンタインクが水に溶け出してしまうのは必至なのでもちろん吹いていますが、少々厚く吹きすぎたのか、デカールの柔軟性が低く、部分的にひび割れのように印刷が禿げてしまいました。
今回はこれで問題ないんですが、きれいに作りたい普通の作品のときは気をつけなければいけません。
やはり自作デカールは熱転写がいいなぁ・・・


前作のスタイルを踏襲してベースには画像を印刷して貼付けます。
今回は迷い無く使いたい画像がありました。1つは大気圏再突入前にはやぶさが撮影した地球の写真。データ転送が途中で途切れてしまったという画像がまさに最後のミッションであったことを感じさせます。
もう1つは朝日新聞の記者が地上から撮影したという、激しく燃えて流れ星のように落ちていくはやぶさ最期の姿。


2枚とも大きな感動を呼びました。この2枚を合成して印刷用の画像を作り、市販のステッカー製作キットにプリントしてベースに貼れるステッカーにします。


「再突入の燃え表現をどうしよう?」というのはこの作品の最大のテーマだったわけですが、そもそも衝撃的だったのがベース画像にも使用している、大気圏に再突入して燃え尽きるはやぶさの最期の姿。
地球に帰ってくる日は発表されていて、でもまさか地上からは見えると思ってなかったんですけど、実際再突入してきたらあんなに明るく真っ白に燃えちゃって、もう凄まじい姿でした。

アレを見ちゃった以上、赤く染まってて燃えてる風とか、鉄が焼けてオレンジ色になっているとか、なんとなく黒塗ってススっぽくしてみましたとか、そういうのはできないわけです。
パールとかどうだろな?とか考えていたら、面白い塗料を見つけました。



それがこれ。よく輝く金属色で有名なアルクラッドですが、光の当たり方によって色が変わるいわゆるマジョーラカラーのようなシリーズも揃っています。(アルクラッドではホロマティックというらしい)
その中でもこの" HOLOMATIC SPECTRAL-CHROME "は七色に輝くシルバー!スゴい飛び道具!
フツーの使い道が思いつきませんが、今回の作品にはぜひ使ってみたいところ。普段行く模型店では残念ながら売り切れ&入荷未定ということだったのでネット通販でゲット。でもお高いぜ!1瓶4200円!瓶がデカいんじゃないっすよ。1ozって書いてあるから約30cc?

本体の塗装の研究も含めて、カラーチップをいくつも作りました。金色は虹彩色パールのイエローで表現します。いちばん左は黒の下地にパールを吹いたもの。その右はシルバーベース、次は白ベース。今回はシルバーベースが良さそうです。

そしていちばん右が HOLOMATIC SPECTRAL-CHROME 。段階的に色が変わるので写真一枚では色が表現できません。というか写真に向いてない、のか?(;^_^



今回の塗装は、込み入ったマスキングなど必要ありません。エアブラシの細吹きで何となく境界ができればそれでよいです。
故に本塗りはサッと終わりますよ。

まずはボディから。
黒塗りしておいた下地にまずはシルバーを全面に吹き、その上にサーマルジャケット部分にだけパールイエローを吹き、金色表現とします。
更に部分的に例のホロマティックを吹いてアクセントにします。


パネル部分はデカールの上からホロマティック。
平らな面が多いと光の反射も多いので、こちらは効果がよく見てとれますね。

そして、パーツを合体させてついに完成!
この塗装は光の当たる角度によって様々に見え方が変わります。
いろいろと写真も撮りました。イメージに合うよう画像編集もしてみました。
大きな画像はgalleryで!





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