" Believin' "
νGUNDAM from GUNDAM EVOLVE 5


ちょっと解説

右手に握っているのはシャアの乗るサザビーのコクピットポッド。
戦闘に勝利したアムロは、シャアの乗る脱出ポッドを捕らえたまま、地球に落ちんとしているアクシズの欠片を押し出そうと試みます。
貴様ほど人類に絶望してはいないと・・・

模型的には、金属球をキャスト取りしてスジボリを施しました。
右前腕のへこみは戦闘中サザビーに蹴られたダメージです。
左腕のサーベルラック等から考えて、この内部に腕部駆動のメカニズムは入っていないものと考えられます。
なので、この部分はグレネードやミサイル、ビームガンなど、マルチに武装を変更できるラックと想定しました。
基本は空っぽのコンテナですので、こんな風にへこみます。
劇中では左腕のスペアサーベルを最後までアムロは使いません。
実際にはやる気のない演出家が、このデザインに気付かなかっただけかもしれませんが(笑)、模型を作る方としては理由が欲しかったので、何らかのダメージでホルダーが破損、開かなくなったので使えなかったものとしてみました。
劇中ではこの肩の部位にダメージは食らいません。
総合的に、アムロの方はあまりダメージを受けてはいないのです。

おもしろそうだったので、アーマーが一枚吹き飛ばされたものとしてみました。
ここは戦闘のわりと冒頭、サザビーのビームサーベルで切り裂かれる部分です。
熱エネルギーによる破損を表現しました。

まずノコギリで切り込みを入れ、線香の火でじわじわとあぶってひろげます。
それだけではらしさはでないので、表現のほとんどはエポパテによる造型です。
実は顔面にもパンチは食らいません。劇中ではノーダメージです。
でも、お約束として顔面に一発ぐらいもらっとかないと、ってことで。
アンテナは線香であぶって少し曲げ、カメラアイは塗装表現にて片方は光っていない死んだ状態としてみました。

今回作品にそえた言葉

”運命を変えられると思うかい?”
”いいや。” ボクはそうは思わない。
奴はボクから人生を、家族を、友を、そしてかけがえのない人を奪っていった。
けれども奴はボクに人生を、家族を、友を、そして愛する人を与えてくれた。
ボクは急がない。そして決してあきらめない!
”信じること”
ボクにはそれしかできない・・・


今回はなかなかに手間をかけました。
たいして変わらないように見えても、ほんのちょっとしたところが違っていたりして、
工作は完全に全てのパーツに及びます。
スクラッチパーツはほぼ全てプラ板工作ですので、その切り出しと面出しの精度に気を配り
ました。
バキュームフォームなどの熱加工が必要になるかと思ったんですが、結局はキットパーツの
形状を生かしつつ、接着と削りだけで対応できました。

実はこの作品には、設定と食い違う部分が多少あります。
どうしても設定に納得がいかない部分は形状をアレンジしていますが、まず目立って違うのは
スジボリの少なさだと思います。
設定CG、及びHJ誌の作例では装甲面にかなりのスジボリが見られますが、この作品では極力
少なくしてあります。

どうしてかっていうと、どう見てもこの設定のスジボリがハッタリにしか見えないんですよ。
間延びしてるからとりあえず線引いとけ、って感じ。
『バイクのカウルのように薄い装甲』って言葉をなにかの雑誌で見て心魅かれたので、薄さの
表現に重きを置いています。

あと、最後まで悩んだのは最終的な表面の仕上げ。
ダメージモデリングは最初からの前提ですが、無意味に黒く煤けているとか、無意味に銀の
下地がでているとかはやりたくありませんでした。
その上で、この薄い装甲は最低限のビーム反射の特性を持っているものとしたかったので、
それを表現するパールも吹きたい・・・。

正直、パールは最後まで悩んだんですが、エナメルでウォッシングすることによって馴染ませ、
過度な派手さはなくしたつもりです。

自分で見て反省箇所ってのはもちろんありますが、今までよりも明らかに進歩できたという
喜びもあります。
最新作が最高傑作である、と常に思いたいもんですねぇ。

2004.1/3完成

(1/11)

この作品にて第2回神戸スキヤキガンプラコンテスト金賞いただきました!


極私的コラム

受賞の言葉なんか書いちゃったり・・・

制作記